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「用途は自由」という契約書があれば消費税は戻ってくる?裁判所の下した厳しい審判
この記事のポイント
- 事件:新築アパートの消費税還付否認(東京地判令和7年1月24日判決)
- 争点:「用途自由」悦書があれば消費税還付を受けられるか否か
- 結論:契約書の内容より実態上の合意が優先、計画段階から居住用であることが明らかと判断し還付全額否認
新築マンションなどを建てた際、支払った多額の消費税を「還付(返金)」してもらうために、一括借上(サブリース)業者との間で「この建物は居住用でも事業用でも、どちらで使っても良い」という覚書を交わす手法があります。
しかし、令和7年1月24日、東京地方裁判所はこの手法に対し「NO」を突きつけました。
判決の決定的なポイント:
- 「書面」より「合意」が優先: 裁判所は、消費税法上の「居住用であることが明らかにされている」というルールについて、契約書に書いてあるかどうかだけでなく、「当事者の間で、実際には居住用として使うと分かっていたか(合意していたか)」で判断すると示しました。
- 計画段階からの実態: 今回のケースでは、建物の図面が「居住用」であり、最初から一般個人への転貸(居住用サブリース)を前提とした計画書や報告書が存在していました。
- 覚書は認められず: たとえ「用途を問わない」という覚書を作っても、最初から住居として貸し出すことが分かりきっている場合は、法律上の「非課税売上(住宅の貸付)」とみなされます。
不動産オーナーが知っておくべきこと: この判決により、形式的に「事業用でもOK」という一筆をもらうだけの節税スキームは、税務調査で否認される可能性があることが明確になりました。実際にどのような合意がなされたか、建物がどう作られ、実際に誰が住んでいるかといった実態が、税金の還付を左右するようです。
本判決の詳細は以下の記事をご確認ください。
裁判所の判断ポイント
- 消費税法上「居住用であることが明らかにされている」か否は契約書の記載だけでなく実際の合意内容で判断
- 建物の図面が居住用で、一般個人への転貸(居住用サブリース)を前提に計画書・報告書が存在
- 「用途を問わない」という悦書があっても、居住用と実態上分かりきっていれば還付は認められない
実務上の注意点
新築不動産の消費税還付スキームでは、平面図・契約書類・実際の転貸実態に至るまで居住用か否が張られます。形式的な悦書だけでは不十分です。





