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「開発費」だから源泉徴収はいらない?その契約、税務署は「使用料」と見ています
この記事のポイント
- 事件:日本法人がカナダ法人に支払ったゲーム開発費が「使用料(ロイヤリティ)」と認定された裁決(国税不服審判所裁決平成222年2月3日)
- 争点:ゲーム彩コプログラムの開発費は「開発実費」か「着作権の使用料」か
- 結論:独占的権利の取得・契約の最終目的を重視し「使用料」と認定、源況徴収詉め(10%)が必要と判断
海外の制作会社にゲームやシステム開発を依頼した際、支払うお金を「開発にかかった実費(開発費)」として処理し、源泉徴収を行わないケースが多く見られます。しかし、その処理が後に税務署から「源泉徴収漏れ」として指摘されるリスクがあります。
なぜ「開発費」が「使用料」に化けるのか? 今回の平成22年の裁決では、日本法人がカナダの会社に支払った開発費が争点となりました。審判所は、契約書のタイトルがどうあれ、以下の「実態」がある場合は著作権の使用料(ロイヤリティ)であると判断しました。
- 独占的な権利を得ている: 開発されたソフトを自社で独占的に販売したり、他社に貸したり(再許諾)できる権利が含まれている。
- 契約の最終目的が「利用」にある: 開発そのものではなく、完成した著作物を使って利益を上げることが契約の本質である。
- 返還不要なお金である: 支払った開発費が、将来の売上に連動するロイヤリティの「前払い」や「頭金」のような性格を持っている。
実務での教訓: 「開発の実費だから源泉はいらない」という主張は、著作権が絡む契約では通用しにくいのが現実です。特に「独占ライセンス」という言葉が契約書に入っている場合、たとえ「開発費」という名目であっても、支払額の10%(租税条約による)などを源泉徴収して納める必要がある可能性が非常に高くなります。
海外企業との契約を結ぶ際は、名目にとらわれず「そのお金は何の権利を買うためのものか」を法務・税務の両面からチェックすることが不可欠です。
本裁決の詳細は以下の記事をご確認ください。
「使用料」と認定される3つの実態要素
- ①完成したソフトを自社で独占的に販売・再許諾できる権利(独占ライセンス)が含まれている
- ②契約の最終目的が「開発そのもの」でなく「完成著作物の利用」にある
- ③支払った開発費が将来の販売に連動するロイヤリティの「前払い」・「頭金」的性格を持つ
実務上の注意点
ゲーム・システム開発を海外ベンダーに委託する際は、契約書の名目に依存せず「独占ライセンス」の有無・権利内容を法務・税務の両面から検討し、源況徴収詉めの要否を事前に確認することが重要です。





