本記事では、栗原宏幸弁護士による「当初申告要件の改正漏れによる立法の不備について(タックスヘイブン対策税制)」の内容を紹介します。CFC税制の配当控除に関する問題と立法の不備について解説します。
栗原宏幸弁護士のnoteブログからのご紹介です。おおむね次のようなご主張となっています。
1. はじめに
タックスヘイブン対策税制(CFC税制)は、海外子会社の利益を日本の親会社の所得として合算して課税する仕組みです。しかし、そのルールに不備があり、本来受けられる「配当控除」を適用できないケースが生じています。
2. 「配当控除」の適用の問題
- 配当控除とは
海外子会社が他の会社から受け取った配当を、日本の親会社の課税所得に含めない仕組み。 - 問題点
配当控除を受けるためには「25%以上の株を6か月以上保有」などの条件を満たし、確定申告で選択する必要があります。
しかし、税務調査でCFC税制の適用が指摘された場合、事前に配当控除を選択していないと適用が認められません。結果、過剰な課税がされることになります。
3. 「当初申告要件」とは
- 意味
確定申告時に特定の控除や特例を選択していなければ、その後修正申告や税務調査でも適用を受けられないルール。 - 影響
配当控除も当初申告要件が課されているため、後から訂正ができず、申告時に判断ミスをすると適用が永遠に受けられなくなります。
4. 問題の解決方法を検討
- 制度の不備
過去の税制改正では多くの当初申告要件が廃止されました。しかし、配当控除については廃止されておらず、これは立法のミスではないかと考えられます。 - 法律的解釈
法律の趣旨からすると、配当控除に当初申告要件を課す規定は無効である可能性があります。この場合、修正申告や更正の請求によって配当控除を適用できるべきです。
5. 更正の請求と注意点
- 手続き
税務調査で課税処分を受けた後、納税者は更正の請求を行う必要があります。 - 注意点
- 更正の請求は、申告期限から5年以内しかできません。期限が迫っている場合は急ぐ必要があります。
- 税務当局は請求を認めない可能性が高く、その場合は訴訟で争う必要があります。
結論
CFC税制の配当控除に関する問題は、現行ルールの不備によるものです。納税者が正当な権利を行使するためには、更正の請求や裁判が必要となるケースがあります。この制度の改善が求められています。
よくある質問
Q1. タックスヘイブン対策税制(CFC税制)とはどのような制度ですか?
海外子会社の利益を日本の親会社の所得として合算して課税する仕組みです。租税回避を防ぐことを目的としていますが、そのルールに不備があり、本来受けられる「配当控除」を適用できないケースが生じているという問題が指摘されています。
Q2. 「当初申告要件の改正漏れ」とはどのような問題ですか?
CFC税制の配当控除に関する問題で、現行ルールの不備により本来受けられるはずの配当控除が適用できないケースが生じているとされます。納税者が正当な権利を行使するためには、更正の請求や裁判が必要となるケースがあります。
Q3. この問題はどこで詳細を確認できますか?
栗原宏幸弁護士のnoteブログにて詳細を確認できます。本記事はそのご主張を紹介したものです。
