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貴金属買取ビジネスを営む上で、消費税の「仕入税額控除」の否認は経営を揺るがす重大なリスクです。今回ご紹介するのは、令和5年9月5日に下された国税不服審判所の裁決事例です。
ケース概要&争点・結論
- 裁決日:令和5年9月5日(国税不服審判所)
- 事案:貴金属スクラップ買取業者が在留カード確認後仕入税額控除を主張したが、カード持ち主が取引日に日本不在であったことが判明し否認
- 争点:在留カード確認・帳簿記載が「信ずべき相当の理由」に当たるか?および委託販売契約の認定
- 結論:形式的な書類徴取は「信ずべき相当の理由」に当たらず仕入税額控除否認、審査請求棄却
本件では、1回数千万円にのぼる金スクラップの買取りにおいて、請求人が「在留カードを確認し、帳簿に記載した以上、仕入税額控除は認められるべき」と主張しました。しかし審判所は、提示されたカードの持ち主が取引日に日本に不在であったことなどを指摘。「形式的に書類を徴取しただけでは、真実の取引相手と信ずべき相当の理由にはならない」と断じ、控除を認めませんでした。
さらに、「委託販売契約」を主張して課税売上高の減額を求めた点も、契約実態がないとして退けられています。どのような確認が「不十分」と判断されたのか、買取業者が守るべき「積極的かつ厳格な確認」の正体は何かを知るうえでの参考になります。
詳細は以下の記事をご確認ください。
審判所の判断ポイント
- 「信ずべき相当の理由」の判断:在留カードのコピー保存だけでは不十分。取引日にカード持ち主が実際に現地にいたかを確認するまでの「積極的かつ厳格な確認」が必要
- 委託販売契約の否定:契約の実態がないことを理由に課税売上高の減額要求も認められなかった
- 実質的確認の必要性:仕入税額控除を守るには形式上の確認だけでは足りず、取引相手の実質を確認する必要がある
貴金属スクラップ買取業者の実務上の注意点
- 在留カードのコピー保存だけでは不十分。取引当日にカード持ち主が実際に来店しているかを確認する
- 高額取引では第三者による本人確認や取引履歴の記録を整備する
- 委託販売契約を課税売上の減額目的で使用する場合は契約の実態を証明する文書を局面ごとに備えておく





