官総1 – 4 7
平成14年9月27日
改正平成16年官総1-37
平成19年官総8-17
平成22年官総8-14
平成25年官総9-10
平成28年官総9-8
令和3年官総6-10
令和5年官総6-37


各国税局(所)長殿


国税庁長官


苦情等処理要領の制定について(事務運営指針)


標題のことについては、別添「苦情等処理要領」のとおり定めたから、今後はこれにより適切に対応されたい。


別添
苦情等処理要領


1 基本的な考え方
納税者等の権利・利益の保護及び税務行政に対する信頼確保のためには、納税者等から寄せられた苦情等について、納税者等の視点に立って適切に対応することが不可欠である。また、納税者等からの苦情等には、事務処理の改善につながるヒントが含まれることもある。このため、各職員は、常日頃から苦情等の処理の重要性を十分認識した上で、寄せられた苦情等について的確、誠実かつ迅速な対応に努める。


2 用語の定義
この事務運営指針において用いる次に掲げる用語は、次に定めるところによる。
(1) 苦情等
納税者等から寄せられた税務署(以下「署」という。)、国税局(沖縄国税事務所を含む。以下「局」という。)及び国税庁(以下「庁」という。)の事務その他税務一般に関する不平・不満及び困りごとをいう。
(2) 担当部門
納税者等からの苦情等に関する事務等を実施する部門又は課室をいう。
(3) 処理責任者
担当部門の第一統括官等又は課長をいう。
ただし、業務センター室(以下「センター」という。)においては、総括・監査グループの主任国税管理官をいう。
(注) コール・調査支援グループの単独設置センターにおいては、当グループの主任国税管理官が上記総括・監査グループの主任国税管理官と同様の役割を担う。以下同じ。
(4) 処理管理者
担当部門のある署又は局の総務課長をいう。
(5) 内部事務センター化PT
センターを所管する庁局企画課(沖縄国税事務所においては総務課。)のPTをいう。


3 苦情等の受理
(1) 納税者等から苦情等の申出を受けた職員(以下「受理者」という。)は、当該納税者等から当該苦情等の内容を丁寧かつ十分に聴取する。その際、苦情等の処理における当初の応接の重要性を踏まえ、納税者等の視点に立って対応することに留意し、当該納税者等をいわゆる「たらい回し」することのないようにする。
(2) 受理者は、当該納税者等から聴取した内容により担当部門が判明した場合には、所属する部門の統括官等(局においては担当係長又は主任国税管理官。以下同じ。)以上の者を通じて、当該担当部門に速やかに連絡し、当該苦情等を引き継引継ぎを受けた担当部門においては、速やかに当該苦情等の申出があったこと
について処理責任者に報告する。
なお、当該納税者等から聴取した内容により担当部門が明らかでない場合には、受理者は、所属する部門の統括官等以上の者を通じて、署においては署派遣納税者支援調整官(納税者支援調整官が派遣配置されていない署においては、その署を担当する署派遣納税者支援調整官又は局納税者支援調整官が地域担当運営を
行うこととした場合の局納税者支援調整官とする。以下同じ。)、局においては局納税者支援調整官に速やかに連絡し、当該苦情等を引き継ぐ。

4 苦情等の報告と連絡
(1) 整理票の作成
処理責任者は、上記3(2)の報告、苦情等の引継ぎ又は庁ホームページ等に響き込まれた苦情等の回付を受けた場合には、当該苦情等の内容及び事実関係の把握に努め、別紙1 「苦情等事案整理票」(以下「整理票」という。)を作成する。ただし、苦情等への対応が緊急を要する場合は、事後的に作成することとして差し支えない。
また、次に該当する場合は、下記(4)・(5)の連絡を行う必要があると判断した場合を除き、整理票の作成を要しない。
イ担当部門の職員又は統括官等がその場で対応したことにより、当該苦情等の申出をした納税者等が納得し、さらなる対応(折り返しの連絡など)を要しない場合
口個別事案における調査・滞納処分等の内容又は手続に係る苦情等で、当該個別事案の処理の過程で対応することが予定される場合
ハ庁ホームページ等に書き込まれた苦情等で、当該書き込みをした納税者等が不明あるいは苦情等の内容が抽象的で明確でないなど対応が困難である場合


(2) 処理管理者への報告
処理責任者は、上記(1)により整理票を作成する苦情等について、作成した整理票の写しを回付することにより速やかに処理管理者に第一報を報告する。ただし、緊急を要する場合は、口頭その他の方法によることも差し支えない。
なお、当該苦情等がその申出をした納税者等への早急な対応を要するものである場合には、第一報に併せて、又は第一報の報告後遅滞なく、対応方針についても処理管理者に報告する。
その際、当該報告が遅延した場合には、遅延理由を付して報告することに留意する。
上記の報告を受けた処理管理者は、必要に応じ、当該苦情等について、署においては副署長又は署長、局においては総務部長又は局長(沖縄国税事務所においては次長又は所長。以下同じ。)まで報告する。


(3) 苦情等の内容が緊急対応事案に該当する場合
処理責任者及び処理管理者は、苦情等の内容が平成14年9月27日付官総1-44「緊急対応体制の整備について」(事務運営指針)に定める緊急対応事案に該当する場合には、同事務運営指針により適切に対応することに留意する。この場合の報告・連絡体制については署及び局(センターを除く。)においては別紙2-1 「苦情等処理体制(緊急対応事案)イメージ図」を参照する。センターで実施する事務に関し苦情等が発生した場合には、局内部事務センター化PT・局主管課・局総務課で苦情等の対応方針を協議する。協議の結果、苦情等についてセンターで対応することとなった場合には別紙2-2「センター用(センター対応分)
苦情等処理体制(緊急対応事案)イメージ図」を参照することとし、協議の結果、苦情等について署主管部門で対応することとなった場合には別紙2-3「センター用(署対応分)苦情等処理体制(緊急対応事案)イメージ図」を参照する。


(4) 関係部門(関係課)等への連絡
処理責任者は、当該苦情等に関する事務等が他の部門又は課にも密接に関連していると思料する場合には、速やかに、当該他の部門の統括官等又は当該他の課の課長等に連絡する。
なお、当該連絡は整理票の写しの回付により行う。ただし、緊急を要する場合は、口頭その他の方法によることも差し支えない。
また、納税者等から申出のあった苦情等について、他の納税者等から同様の申出がなされることが見込まれる場合その他必要な場合には、局税務相談室(税務相談室が設置されていない局にあっては総括税務相談官をいい、以下「税務相談室」という。)に連絡することに留意する。
そのほか、当該苦情等への対応に当たり他の機関への協力要請等が見込まれる場合には、当該他の機関に連絡する。


(5) 納税者支援調整官への連絡
処理責任者は、遅滞なく、整理票の写しを回付することにより、当該苦情等の申出があったことを、署においては署派遣納税者支援調整官、局においては局納税者支援調整官に連絡する。


(6) その他の連絡等
申出を受けた納税者等からの苦情等の処理に当たり、事務運営の改善等を検討する余地があると認められる場合には、署の処理責任者は局の主管課に、局の処理責任者又は納税者支援調整官は派遣監督評価官に連絡する。
また、苦情等の中に税務行政に対する意見・要望等が含まれている場合には、平成24年6月26日付官広1-11ほか26課共同「『広報広聴事務運営要領』の制定について」(事務運営指針)により適切に対応する。


5 苦情等への対応
(1) 苦情等への的確かつ誠実な対応
納税者等からの苦情等への対応に当たっては、当該納税者等に応接する職員の一人一人が国税組織を代表していることに留意し、事務運営の適正・公平を踏まえつつ、当該納税者等の視点に立って的確かつ誠実な対応に努める。その際、必要に応じて、担当部門の統括官等が当該納税者等に直接説明又は謝罪を行うなど、
状況に応じた適切な対応に努める。
また、苦情等の申出をした納税者等を「たらい回し」することなく、当該納税者等が用件をできる限りーか所で済ますことができるよう配意する。
なお、納税者等から申出のあった苦情等について、他の納税者等から同様の申出がなされることが見込まれるときは、当該苦情等の申出をした納税者等への対応に併せて、当該他の納税者についても適切に対応することに留意する。


(2) 苦情等への迅速な対応
納税者等からの苦情等については、迅速な対応に努めることとし、当該苦情等の申出を受けた日(庁ホームページ等に書き込みがなされた場合には、当該書き込みが局納税者支援調整官又は担当の局(センターを除く。)の主管課、センター若しくは署に回付された日のいずれか早い日)の翌日から起算して原則として
3日以内(祝日、休日等を除く。)に処理する。
なお、3日以内の処理が困難な場合は、当面の対応方針を決定の上、当該申出をした納税者等に対し速やかに連絡することに留意する。


(3) 対応方針の検討・協議
処理責任者は、事務運営の適正・公平を踏まえつつ、苦情等に係る納税者等の視点に立った対応方針を検討するとともに、当該苦情等の内容に応じて、総務課及び関係部門(関係課)と協議の上、対応方針を決定する。
なお、対応方針の協議に当たっては、必要に応じて署においては署派遣納税者支援調整官に、局においては局納税者支援調整官に意見を求め、その意見を十分尊重する。


(4) 苦情等の引継ぎ
処理責任者は、当該苦情等について、納税者支援調整官等との協議の結果、納税者支援調整官が主担となって対応することとなった場合には、作成した整理票の原本を当該納税者支援調整官へ確実に引き継ぐ。この場合、処理責任者は、当該納税者支援調整官が行う苦情等の対応に当たって必要な協力を行うものとする。
納税者支援調整官は、自ら直接受理した苦情等について、署又は局の担当部門で対応することとした場合には、作成した整理票の原本を、署で対応するものはその署の総務課長、局で対応するものは局納税者支援調整官を経由して処理責任者へ確実に引き継ぐ。


(5) 対応方針の実施
処理責任者は、担当部門の統括官等に対応させるなど、苦情等の処理の実施責任者として決定した対応方針を的確に実施する。


(6) 苦情等の処理状況に関する進行管理等
処理責任者は、上記4 《苦情等の報告と連絡》に準じて、処理の進展の都度、処理の経緯又は処理てん末について処理管理者、納税者支援調整官及び関係部門(関係課)等に報告・連絡する。この報告・連絡は、作成した整理票の写しの回付により行うことを基本とする。
処理管理者は、随時、苦情等の処理状況に関する進行管理が適切に行われているかを確認するとともに、必要に応じて、署においては副署長又は署長、局においては総務部長又は局長まで報告する。


6 再発防止策等の検討・実施
処理責任者は、苦情等への対応を終了した場合には、当該苦情等の発生原因を分析し、所要の再発防止のための方策等を検討する。検討の結果定めた方策等については、整理票の「再発防止策等」欄に記載し、当該整理票の写しを処理管理者、納税者支援調整官及び関係部門(関係課)等に回付して報告・連絡するとともに、職員に周知し、着実に実施する。

7 センターにおける留意事項
上記3《苦情等の受理》から5《苦情等への対応》における処理管理者、局納税者支援調整官、関係課等への報告・連絡については、局内部事務センター化PTを通じて行うことに留意する。

参考資料(ダウンロード可)

平成14年9月27日付官総1-47「苦情処理要領の制定について」(事務運営指針)