以下、令和2年7月1日に発遣された国税庁「移転価格調査に係る争訟見込み事案への対応について(事務連絡)」の紹介です。


移転価格調査に係る争訟見込み事案への対応について(事務連絡)


調査部争訟見込み事案に対する事務処理手続等については、平成28年6月22日付課審3-4ほか1課共同「調査部争訟見込み事案に対する支援等に係る事務処理等について」(事務運営指針)に基づき実施しているところであるが、移転価格調査に係る争訟見込み事案への対応についてはこれに併せ、以下に留意することとする。


1 基本的な考え方
従来、各国税局調査(第一・査察)部国際情報第一課(名古屋国税局にあっては国際情報課、関東信越国税局にあっては国際調査課、東京、大阪、名古屋及び関東信越国税局以外の国税局にあっては調査管理課)及び沖縄国税事務所調査課が実施する移転価格調査に係る争訟見込み事案は、各国税局調査(第一・査察)部調査管理(審理)課及び沖縄国税事務所調査課(以下「調査審理課等」という。)を通じて各国税局課税(第一)部国税訟務官(室)及び沖縄国税事務所国税訟務官(以下「国税訟務官室」という。)に支援要請(相談を含む。)を行う等により連携が図られてきたところである。

国際課税分野に係る体制再編実施後の令和2事務年度においても、各国税局調査(第一・査察)部国際調査課(東京、大阪、名古屋及び関東信越国税局以外の国税局にあっては調査管理課)及び調査担当部門並びに沖縄国税事務所調査課(以下「国際調査課等」という。)が実施する移転価格調査に係る争訟見込み事案について、早期の段階で積極的に連携が図れるよう、国税訟務官室へ支援要請を行うに当たっては、対象事案及び時期(国際調査管理課及び国際調査課等と調査審理課等が支援要請の要否を検討する時期)等を適切に判断し実施することとする。



2 支援要請を行う対象事案
移転価格調査において争訟見込み事案に該当するか否かについては、原則として個別事案の状況により判断することとなるが、例えば、次に掲げる事案に該当する場合は、争訟見込み事案とした上で調査審理課等と争訟対応の観点からの検討が必要か協職し、また、国税訟務官室への支援要請の要否を検討する。
(1) 国外関連者の所在地国が日本と租税条約を締結していない等、二重課税の排除が見込まれない事案
(2) 調査法人から、相互協議の申立てをせずに再調査の請求・審査請求・訴訟を行う意向が表明された事案
(3) 過去の調査事績及び再調査の請求等の状況から、課税処分を行った場合に争訟へ進む可能性が高いと判断される事案


3 支援要請を行う時期等
上記2の国税訟務官室への支援要請の要否の検討は、調査法人の主張を一定程度把握した時点(上記2(1)及び(3)の事案については遅くとも調査課事務提要第5章第10節2(3)に定める「調査法人に対して中間意見を提示する段階」における庁連絡前、上記2(2)の事案については調査法人から当該意向が表明された時点)で行い、訴訟対応の観点からの検討が必要と判断された場合には、速やかに国税訟務官室に対して支援要請を行う。
なお、令和2年7月1日付「国際課税分野に係る体制再編実施後の事務手続について」(事務連絡) 4(2)のとおり、センター局(東京国税局)の国際調杏管理課、国際調査課又は国際調査を担当する特別国税調査官若しくは統括国税調査官が支援を行う事案のうち、上記2に該当する事案の国税訟務官室への支援要請については、被支援局(支援を受ける国税局又は沖縄国税事務所)の調査審理課等が被支援局の国税訟務官室に対して支援を要請することに留意する。