「大学院に通いながら税理士試験に合格できるのだろうか?」
これは、大学院進学を検討している多くの方が一度は抱く疑問ではないでしょうか。
研究、仕事、家庭、そして資格試験――。限られた時間の中で本当に結果を出せるのか、不安になるのは当然です。
しかし、実際に大学院に在籍しながら税理士試験の科目合格を果たした院生たちは、「工夫」と「継続」で結果を出していました。
今回は、令和7年度税理士試験で科目合格を達成した大学院生4名(社会人3名、学部卒1名)へのインタビューをもとに、両立のリアルな実態と具体的な学習法をご紹介します。
以下、東洋大学大学院公法学・政治学研究科に通いながら、税理士試験に科目合格した大学院生のインタビュー記事を要約しました。
(元記事)
「税理士試験と大学院との両立は可能?」税理士試験科目合格者に聞く、多忙な日常の中で結果を出した学習方法や時間管理の工夫
「ミスを減らす」ことに徹底的に向き合う
ある合格者は、苦手意識のあった計算科目に挑戦しました。
取り組んだのは、単なる問題演習の量ではなく、「なぜミスをしたのか」を徹底的に分析することでした。
- 解き方は分かっているのに間違えた問題を必ず振り返る
- 本試験で同じミスを防ぐためのメモや手順を具体的に設計する
- 原因分析と再発防止策をセットで実行する
この「ミスの言語化」と「再発防止の具体化」が得点力向上につながったといいます。
自習室とスキマ時間を最大限に活用
別の合格者は、学習環境づくりを重視しました。
- 学内自習スペース
- 共同研究室
- 予備校の自習室
場所を使い分け、集中できる環境を確保すること自体を戦略化していました。
また、通学中の徒歩時間などを活用し、音声教材で理論をインプット。
「机に向かう時間」だけを勉強時間と考えない発想が印象的でした。
さらに、曜日ごとに役割を分けることで負担を軽減。
- 月・金:大学院の課題
- 火・水・木:税理士試験勉強
休日は家族との時間に充てるなど、生活全体を設計する視点がありました。
社会人院生のリアルな両立術
社会人として勤務しながら合格した院生は、次のような工夫をしていました。
- 通学型予備校をペースメーカーにする
- 問題演習後は時間を空けず即復習
- 通勤時間を理論暗記に活用
特に印象的なのは、「仕事・大学院・試験勉強の三立ては無理をしない」という判断です。
- 大学院の履修科目を絞る
- 直前期には研究とのバランスを調整
- 土日は復習中心に集中学習
また、大学院で培われた論理的思考力や資料収集力が、実務にも活きていると語っています。
“特別ではない”継続の力
学部から継続して科目合格を重ねた院生は、特別な才能よりも次の点を重視していました。
- 本試験時間の8~9割で解く練習
- やる気がない日でも数分は机に向かう
- 模試で上位を目標にする
- 適度なリフレッシュを取り入れる
また、予備校講義は早めにスタート。
時間的・精神的余裕を確保することが、両立成功の鍵だったといいます。
両立の本質は「自分に合った設計」
4名に共通していたのは、次の姿勢でした。
- 同時進行が苦手なら曜日で分ける
- 場所で役割を分ける
- スキマ時間を積み重ねる
- 無理な履修計画を立てない
つまり、自分の性格や生活リズムに合わせて設計していたことです。
大学院進学は“遠回り”ではない
大学院での租税法研究は、単なる試験対策とは異なります。
しかし、体系的な理解や論理的思考力は、税理士としての基礎体力になります。
実際に合格者たちは、
- 物事を深く検討する力
- 法令や資料を読み解く力
- 実務への応用力
を大学院で養ったと実感しています。
結論:両立は「可能」か?
答えは、「可能。ただし設計次第」です。
特別な人だけができるわけではありません。
重要なのは、
- 自分に合った学習スタイルを見つけること
- 無理のない時間設計をすること
- 早めに動き出すこと
大学院進学を迷っている方へ。
税理士試験との両立は、現実的な選択肢です。
将来、税理士としてどのような専門性を持ちたいのか。
研究と資格をどう結びつけたいのか。
ぜひ、一度具体的に描いてみてください。
あなたの挑戦は、決して一人ではありません。
