相続税の実務において、一度は税務署に受理された減額更正が、後の調査で「再更正」され増税となる――。そんな衝撃的な展開が争われたのが、令和6年11月28日の神戸地裁判決です。
事案の核心は、代償分割で支払う「代償金」の評価方法にあります。
原告(相続人)は、時価変動を考慮する「通達」の計算式で税額軽減を求め、当初は認められました。しかし税務署は、後に発見された「特定の計算式が記された合意書」を重視。通達よりも相続人間の具体的な合意を優先し、一転して増税処分(再更正)を行いました。
裁判所は、原告が「内容は理解していなかった」と主張しても、署名・押印がある以上は有効な合意とみなすと判示。また、税理士を通じた調査が行われていれば、本人に直接会わなくとも税務署の調査不尽(手続違反)には当たらないとの厳しい判断を示しました。「とりあえずサイン」した書類が、税務上の通達をも上書きし、将来の増税を決定づけるリスクを浮き彫りにした判決です。
本判決の詳細は以下の記事をご確認ください。
