海外のタックスヘイブンで設定される「裁量信託」。受託者の裁量で分配が決まるため、日本の税務上も権利が不確定として課税を免れると信じられてきた側面がありました。しかし、大阪地裁令和7年4月17日判決は、その解釈に一石を投じました。
本件は、ジャージー島信託法に基づき設定された信託の受益権が、父(被相続人)の死亡により子(原告)へ移転した際、「みなし贈与」として課税された事案です。原告は「具体的な持分がない裁量信託なのだから課税の根拠がない」と猛反論。しかし裁判所は、契約書の「均等な割合」という文言や、受託者の「公平義務」などの実態を読み解き、「受益割合は2分の1」と断じました。
この判決により、海外の裁量信託であっても、実態として受益者が特定されていれば、設定時や相続時に「みなし贈与」として日本で課税されることが明確になりました。所得税の準確定申告漏れも指摘されており、海外資産を保有する富裕層にとって、スキームの根本的な見直しを迫る極めて重要な裁判例といえます。
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