籍を入れない「事実婚(内縁関係)」において、パートナーから受け取る多額の生活費には贈与税がかかるのか?この難問に対し、東京高裁令和6年12月12日判決は、納税者に大きな希望を与える「全面勝訴」の判断を下しました。

📋 この記事でわかること

  • 内縁の夫からの6年間約1.8億円の入金に贈与税が課税された事案の概要
  • 一審(静岡地裁令和6年3月)と控訴審(東京高裁令和6年12月)で判断が流転した理由
  • 「婚姻費用の分担」と「贈与」の境界線:資産規模・使途・不相当に過大か否が判断基準

本件の原告(女性)は、内縁の夫から6年間で約1.8億円の入金を受けていましたが、税務署はこれを「贈与」とみなして贈与税を課税しました。一審の静岡地裁令和6年3月14日判決も「内縁は非課税の配偶者に含まれない」と厳しい姿勢でしたが、控訴審は一転。判決の鍵は、男性側に「50億円超の資産」があった点です。裁判所は、一般的には高額であっても、その資産家カップルの「暮らし振り」に照らせば、旅行費や子の教育費を含む入金は「不相当に過大とはいえず、婚姻費用の分担である」と認定しました。

この判決は、事実婚であっても実態があれば婚姻費用の分担義務が認められ、贈与税の対象外となり得ることを示しました。ただし、資産規模や使途の裏付けが重要であることは変わりません。富裕層のパートナーシップにおける最新の防衛ラインを浮き彫りにした、歴史的な判例といえます。

本判決の詳細は以下の記事をご確認ください。

✅ 高裁判断のポイント

  • 考慮要素① 男性側の資産規模:50億円超の資産があり、その居住水準に照らせば「不相当に過大とはいえない」と高裁は判断した
  • 考慮要素② 使途の内容:旅行費や子の教育費を含む入金は「婚姻費用の分担」と認定された
  • 考慮要素③ 事実婚の実態:籍を入れなくても実態があれば婚姻費用の分担義務が認められ、贈与税の対象外となり得ることを示した

⚠️ 実務上の注意点

本判決は岐阀の事実婚カップルに限定された先例です。資産規模・使途の裏付けが最重要であり、一般的な事実婚における多額入金が贈与税非課税となるわけではありません。大家生活水準との比較において「不相当に過大か」が常に問われる灰色地帯です。

よくある質問(FAQ)

事実婚のパートナーからの生活費は贈与税の対象になりますか?
原則として、婚姻費用の分担と認められる範囲内にあれば贈与税の対象外となり得ます。この判決では、男性側の資産規模(50億円超)と居住水準に照らせて「不相当に過大とはいえない」と判断されました。
静岡地裁と東京高裁で判断が分かれた理由は?
一審(静岡地裁)は「内縁は非課税の配偶者に含まれない」として課税したのに対し、控訴審は婚姻費用分担の実態を導入して逆転先着しました。資産規模と使途の裏付けが判断の分かれ目となりました。
内縁・大家でないカップルにもこの判決は有利になりますか?
必ずしも有利になるとは限りません。本件は対象者の大學生活水準が岐阀であったため、小さな生活費には適用されないと考えられます。