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この記事でわかること(令和5年11月21日裁決(国税不服審判所))
一定以上の資産を持つ納税者に義務付けられた「財産債務調書」の提出を怠った状態で不動産所得の修正申告を行うと、過少申告加算税が5%上乗せ(加重)される特例がある。
本裁決での争点は、過大計上した経費(支払手数料・交際費等の共通経費)が「財産に直接基因する所得」ではないとして加重措置の対象外かどうか。
審判所は「不動産所得の計算構造上、経費の性質は問わない」として加重措置の適用を肯定した。実務家必見の判断。
一定以上の資産を持つ納税者に提出が義務付けられている「財産債務調書」。この提出を怠った状態で不動産所得の修正申告を行うと、過少申告加算税が5%上乗せ(加重)される特例があります。
本裁決(令和5年11月21日)での争点は、過大計上した経費の性質です。納税者側は「個々の不動産に直接紐付かない支払手数料や交際費は、財産に直接基因する所得ではないため、加重措置の対象外である」と独自論を展開しました。
しかし、審判所が下した判断は極めて厳格なものでした。「不動産所得の計算構造上、経費の性質は問わない」とする、実務家必見の判断を確認します。
詳しくは以下の記事をご確認ください。
審判のポイント
①財産債務調書未提出の加重措置
財産債務調書の提出を怠った場合、調書対象財産に係る所得に係る過少申告加算税は5%加重される。
②共通経費は加重対象外か:審判所の判断
納税者は「個々の不動産に直接紐付かない支払手数料・交際費は、財産に直接基因する所得ではない」と主張。しかし審判所は「不動産所得の計算構造上、経費の性質は問わない」としてこの主張を退けた。
③財産債務調書の提出義務と実務上のリスク
財産債務調書の提出を怠ることで、将来に修正申告を行った際の加重リスクが高まる。特に不動産所得を持つ高資産層にとって注意が必要。
実務上の注意点
財産債務調書の提出対象者(資産等が一定以上の方)は、将来の加重リスクを避けるために必ず期限内に提出することが求められる。
本裁決により、共通経費(支払手数料・交際費等)も不動産所得の経費である以上加重対象となることが確認された。「共通経費だから加重対象外」という議論は成り立たない。
不動産所得を持つ高資産層は、財産債務調書の提出漏れが重大なペナルティに繋がることを再認識し、税理士等の専門家への相談をお勧めする。
Q1. 財産債務調書を提出しなかった場合、加重措置の対象になるのはどのような所得ですか?
調書対象財産に係る所得(不動産所得等)に係る過少申告加算税が5%加重されます。本裁決では、共通経費も不動産所得の経費として加重対象になると判断されました。
Q2. 共通経費(支払手数料・交際費)は加重措置の対象外になりますか?
審判所は「不動産所得の計算構造上、経費の性質は問わない」と判断し、共通経費も加重対象となるとしました。「共通経費だから加重対象外」という主張は認められません。
Q3. 財産債務調書の提出対象者の基準は何ですか?
原則として、その年分の合計所得金額が2000万円超で財産合計1億円超等の要件を満たす者が対象となります。対象に該当する方は必ず提出してください。





