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相続前の「固定資産税の支払い」、会社の株価を下げる材料になる?
この記事のポイント
- 事件:直前期末後に支払った固定資産税の負債算入可否(国税不服審判所裁決令和6年7月5日)
- 争点:純資産価額方式による非上場株式評価で、直前期末後に支払った固定資産税を負債として控除できるか否か
- 結論:相続時点で代写決算した場合の現顕金調整とバランスを取り固定資産税を負債に包含して差し支えないと判断(納税者有利)
亡くなった方が会社を経営していた場合、その会社の株(非上場株式)の価値を計算して相続税を申告します。この計算方法の一つに、会社の資産から負債を引いて価値を出す「純資産価額方式」がありますが、ここで「いつの時点の負債を引けるのか」が問題になることがあります。
今回の令和6年7月の裁決では、以下の点が争点となりました。
- 状況: 会社の決算が終わった後(直前期末後)から、相続が起きるまでの間に、会社が固定資産税を支払った。
- 争点: 決算書ベースで株価を計算する場合、すでに支払ってしまったこの税金を「負債」としてマイナスできるか?
税務署側は「決算書に載っていないし、相続時点では支払い済みだから負債ではない」と主張しました。しかし、審判所は「もし相続時点でわざわざ仮決算をしていたら、現預金が減っているはず。それとバランスを合わせるために、決算書ベースの計算でも負債に入れて差し支えない」という、納税者に寄り添った合理的な判断を下しました。
この記事のポイント:
- 納税者有利の判断: 納税通知書が届いたタイミングにかかわらず、その年の固定資産税は負債として計算できる可能性が高まりました。
- 調査の進め方: 「調査官の態度が不適切だった」という手続上の文句だけでは、一度下された課税処分をひっくり返すのは非常に難しいという現実も示されました。
株価評価はわずかな解釈の違いで税額が大きく変わります。最新の判断基準を知っておくことは、将来の相続対策において非常に重要です。
本裁決の詳細は以下の記事をご確認ください。
審判所の合理的判断
- 固定資産税の支払により現顕金が減少している以上、代写決算での現顕金と経済的ことばの一致を取るため負債への算入が必要
- 決算書面に記載されていなくても、相続時点の実態に即した合理的调整を認める納税者有利の判断
- 調査官の不適切な的庶があっても、手続だけの理由で処分を無効にすることは非常に困難
実務上のポイント
純資産価額方式による非上場株式評価では、直前期末後の負債認定に注意が必要です。最新裁決を踏まえた評価は託者による株価計算の有利化につながります。





