海外カジノでのバカラ所得を巡り、チップの課税時期や控除できる賭け金の範囲が争われていた訴訟の控訴審判決が、令和7年10月8日、東京高等裁判所で言い渡されました。
この記事のポイント
- 事件:海外カジノデバカラのライブチップ一時所得課税(東京高裁令和7年10月18日判決)
- 争点:チップの課税時期と控除できる賁け金の範囲
- 結論:配当受領時に経済的利益が確定、的中ゲームの賁け金のみ控除可(控訴審でも維持)
結論から言えば、控訴審でも納税者側の主張は退けられ、敗訴となりました 。 本件の最大の争点は、配当として受け取った「ライブチップ」にどの時点で、いくらの価値を認めるかという点です 。納税者側は「不特定多数の間で流通しないチップの客観的価値は0円である」「換金制限や確認手続があるため、プログラム終了時まで収入は確定しない」と主張しました 。
しかし東京高裁は、チップが額面相当額で換金や次ゲームへの利用、債務充当が可能である以上、「配当として受領した時点」で経済的利益を得る権利が確定していると判断 。また、一時所得の計算において、収入から控除できるのは「的中したゲームの賭け金」に限定され、外れたゲームの損失を差し引くことはできないとする一審のロジックを全面的に支持しました 。
一審判決は以下の記事をご確認ください。
裁判所の判断ポイント
- チップが顕面相当額で換金・次ゲーム利用・債務充当が可能な以上、「配当として受領した時点」で経済的利益が確定
- 一時所得の計算において、収入から控除できるのは「的中したゲームの賁け金」のみ
- 外れたゲームの損失を差し引くことはできない(一審および控訴審で一貫して領認)
実務上の注意点
海外カジノの賠け所得は一時所得として課税されます。チップの換金時ではなく、配当受領時に所得が確定するなど、納税者の直感と税務上の取扱いは大きく異なる場合があります。





