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本裁決は、会社役員が副業として行ったM&A仲介業務の所得区分が争点となりました。請求人は、多数の案件管理や資料作成を行い、活動に継続性・反復性があったとして「事業所得」を主張し、多額の赤字を給与所得と損益通算しました。しかし、審判所はこれに対し、以下の理由から事業に該当しないと判断し、「雑所得」への振替を支持しました。

この記事のポイント

  • 事件:会社役員のM&A付介副業の所得区分(国税不服審判所裁決令和6年8月20日)
  • 争点:継続性・反復性がある副業が「事業所得」に該当し、給与所得との損益通算が認められるか否か
  • 結論:数年で1円の収入もなく履済性・公共性に欠けるとして「雑所得」と判断、損益通算否認

最大のポイントは、事業所得の判断において「安定した収益が得られる可能性」を重視した点です。本件では、(1)数年にわたり収入が一切なく、多額の経費のみが発生し続けていたこと、(2)活動資金が自身の給与収入に依存し、経済的な自立性に欠けていたこと(3)案件検討は行っていたものの、実際の成約や収益獲得に直結する具体的・客観的な行動が希薄であったことが指摘されました。

審判所は、一定の労力を費やしていても「社会的客観性をもって事業と認められる実態はない」と判示しました。この裁決は、特に高額所得者が行う副業において、単なる活動実績だけでなく、営利性や収益の実現可能性が厳格に問われることを示しています。損益通算による節税を検討する実務において、非常に重要な指針となる事例です。

審判所が「雑所得」と判断した3つの理由

  • 数年にわたり収入が0円で多額の経費のみが発生し続けていた
  • 活動資金が自身の給与所得に依存し、経済的な自立性に欠ける
  • 実際の成約・収益獲得に直結する具体的・客観的な行動が希薄で、社会的客観性をもって事業と認められる実態はない

実務上の注意点

給与所得との損益通算による節税を検討する際は、単なる活動実績だけでなく、営利性・収益の実現可能性・経済的自立性を具体的に証明できる内容を整備することが重要です。

Q1. 副業でM&A付介を行っている場合、事業所得として給与と損益通算できますか?
収益の実現可能性・営利性・経済的自立性が認められなければ、継続性・反復性があっても「雑所得」と判断され、損益通算は否認されます。
Q2. 事業所得と認められるために必要な要素は何ですか?
営利性(利益を得る目的)、経済的自立性(他の収入に依存しない)、反復継続性、そして実際の収入実績が重要な判断要素となります。
Q3. 数年間赤字が続いている副業は必ず雑所得となりますか?
必ずしもそうではありませんが、絔めて骸高いリスクがあります。繋がりのある叡定件数、実際の交渉・接触記録、事業計画書の存在などで「事業性」を機化する峞要があります。